ゆだねる(サレンダー)
2026/08/31

「ゆだねる」という言葉は、
「手放す」と並べて使われます。
力を抜きましょう。
流れに任せましょう。
掴まずに、ゆるめましょう。
言葉で理解しようとすると、 迷子になる。
実は、そんなに難しいことではないのに。
たとえば、海に浮かぶとき。
わたしはただ、「海に浮かぼう」と思う。
そのとき海に、 どの角度で支えろ、
ここはこうしろ、とは指図しない。
支え方は、海にまかせきっている。
もし、自分でどうにか浮こうとしたら、
手で水をかいて、足をばたつかせて、
体をこわばらせて、おそらく、沈む。
「海に浮かびたい」、という思いはある。
でも、やり方と結果は、まかせている。
そもそも、海が支えてくれることを
これっぽっちも、疑っていない。
けれど、日々の暮らしの中では、
「こうしたい、こうしよう」と思った途端に、
あれをああして、これをこうして、と
そこへ辿り着く道筋まで、細かく指定しはじめる。
これも、海に浮かぶことと同じこと。
思いのままに、行き先は決めて、
そこへどう辿り着くかは、大いなるものへ返す。
つまり、道筋の指定をやめる。
なんだか物事がうまくいかないとき、
握らなくていいところまで、握っている。
──── ✵ ────
たとえば、料理を作って、誰かに出すとき。
おいしく食べてほしい、という思いがある。
握っている状態は、
相手がおいしいと言うまで、安心できない。
その言い方や、表情まで、気にしてしまう。
ひらいている状態は、
心を込めて作って、出したら、手を離す。
作るところまでが、わたしの領域。
どう味わうかは、相手のもの。
たとえば、心の通った対話を望むとき。
思いが通じるといいな、という願いがある。
握っている状態は、
相手が同じだけ返してくれるかを、測っている。
伝わったかどうかを、相手の反応で確かめている。
ひらいている状態は、
わたしを主語に、まっすぐ言葉を置いている。
あなたとこうしたい、と誠意を込めて伝える。
そこから先、どう受け取るかは、相手のもの。
自分の領域と、相手の領域と、
大いなるものの領域を、混ぜない。
どれも、同じこと。
行き先だけを持って、道筋はゆだねる。
握っている手をひらく。
それが、ゆだねるということ。
そもそも、大いなるものが支えていることを
疑う必要なんて、これっぽっちもないのだから。
──── ✵ ────
そしてね、従順になることと、
委ねること(サレンダー)は、違います。
この二つを混同しないこと。
それについては、また、ゆっくりね。
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(初出|2026年8月31日)
魚座満月部分月食の遠隔ワーク
「水のまにまに」に寄せて
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