うさぎの穴
2026/06/19

✦ まるで恋に落ちるように
多分あの部屋に入ったとき、
わたしはうさぎの穴に落ちた。
そこからずっと、不思議の国の中にいる。
その少し前に、まず、その穴を覗き込んだ。
そしたら、たくさんのおばさんたちがいた。
おばさんたちは口々に、
あそこに行こう、ここに行こう、
あそこに行きなさいと私に告げた。
わたしは言われるがままに、
おばさんの後についていくつかの場所を訪れた。
なんだかわからないけれど、すごく楽しかった。
生まれて初めて「チャクラ」って言葉を聞いた。
それから1週間あとのこと。
あなたは絶対にここに行くべきだと言って、
とある場所を教えられ、その場で電話した。
二日後、そこに行き、2人の人に会った。
言われたのは、
「明日からここに座ってください」
「今までの人生の全てが役にたつわ」
「大丈夫、人はエネルギーに集まるから」
そして、「思い出すから」という言葉だった。
私はその場で、「はい」と返事をした。
なんの疑いもなく、素直にうなづいた。
その時に多分、
覗き込んでいたうさぎの穴の中に、
完全に落ちたのだと思う。
まるで恋に落ちるように。
だって、正社員のお仕事をやめて
何の保証もない、貯金もない、
お給料もない生き方に、全振りしたんだもの。
子どもたちは全員、小学生だった。
だけど、あの日の帰り道、
自転車を漕ぎながら笑みが溢れっぱなしだった。

✦ 人はエネルギーに集まる
だいたい、「人はエネルギーに集まる」って
なんなんだって話なのに、うっかり信じた。
「玄花って知ってる?」
「玄花ってね」という感じで、
彼らは周りに言い触らしてくれたし、
ブログに書いてくれたり、場を繋いでくれた。
まるで珍しい生き物に出会ったかのように、
「つい、言いたくなっちゃうんだよ」って。
そういう後押しがあったから、今がある。
うさぎの穴に落ちた時から、
ギアはずっとトップのまま走り続けた。
家の中は家の中で、なんというか、
子どもたちが面白かった。特に、娘。
先日、しみじみと、
「あの頃は、本当にありがとうね」
「本当に、こころの支えだったよ」
と、伝えると、LINEにたったひとこと。
「必死だったんだよ」
「お母さんが聞いてくるから。
だから答えたまでだよ」って。
そりゃあそうだ。
10代前半の娘に吐露してるんだから。
40代後半のお母さんが、全身全霊で。
ああ、可笑しい。呵呵呵呵呵。
改めて、いま思うのだけど、
娘の向こうはタオだったのかなって。
大いなるものでも、言葉は何でもいいけど。
それらは、誰を通しても、何を通しても、
私にメッセージを届け続けてくれていたと思う。
ほんと、みんなで必死に生きてた。
✦ 大人のワンダーランド
数年前、ジュリーこと沢田研二さんの
「そこからずっと夢の中を生きている」
という言葉に触れたときに、心が震えた。
夢見ていた世界に入り、そこからずっと、
夢から覚めずに、夢の中を生き続けてるって。
夢の方が本当の世界、なんて言葉もあるしね。
私はうさぎの穴に落ちたと表現したけれど、
それは、たった一回のことじゃない。
いつしかうさぎの穴の中が当たり前になり、
次のうさぎの穴、次のうさぎの穴って感じで、
そこから何回も、うさぎの穴に落ちていった。
だって、落ちてしまったら戻り方はわからない。
これはもう、行くっきゃないってやつでしょう。
うさぎの穴に落ちるための準備は、
用意しようとして用意するものじゃない。
日々の生き方や生きる姿勢、その全てで、
その時が来た、という感じなのだと思う。
そしていつもそこには、時間という概念がなかった。
玄花の場に来る人にとっては、
いきなり私がいま、「妊娠した」と言っても、
「ああ、やっぱり」って感じになるわけです。
または例えば、誰かと目と目が合った瞬間に、
二人の間に天啓みたいなものが降りて来て、
「あの角の花屋でありったけのバラを買って、
あの丘の上の教会で結婚しよう」と言われたら、
うっかり八兵衛できっと、うんって言うと思うの。
大人には大人の事情があり過ぎるから、
そういうことを言えちゃうだけで尊敬に値する。
絶対にそんなことはない、ではなく、
「そんなことあるかも」
そう思えちゃうところがワンダーランド。
そして何が起こっても私の周りの人たちは、
「あはははは、玄花だから」と言って笑う。
そしてまたきっと、「玄花さんてね」と、
周りに言い触らしてしまうに違いない。
✦ 全振りの、全託の、「うん」
子どもが、後先考えずに
「うん」って言っちゃうような、
とりあえず何でも口に入れてペッとしちゃうような。
そんな部分が自分の中にあるよねって。
むしろ、そんな部分が多かったよねって。
この夏至目前にね、思い出してたところ。
ちょっと長い間、大人しい子ちゃんをしていたから。
ちなみに、「うさぎの穴」とは
不思議の国のアリスで有名な言葉。
慣用句的には、好奇心に惹かれて
抜けられないほど深く何かにのめり込んでいくこと。
予測のつかない世界へ、自分から落ちていく。
これはね、乙女の好奇心そのものだと思うの。
敷居で躊躇う代わりに、コントロールを手放して、
変容の穴に身を任せる。
もちろん、そういうあり方がいい
という話ではないので、誤解なく。
ゆっくり間合いを詰めながら、
自分の領域を展開していくやり方もある。
または逆に、今すぐ即決でしょ!
今すぐ答えが欲しいという人もいる。
この、時間軸の違う二人が出会うと、
即決の人にとっては、すでに諦めていたことが、
ゆっくりの人には「これから始まる」だったりする。
愛し合っているのにズレている。
いずれにしろ、人生の要所要所で、
100%賭けて来たからこそ今がある。
そんなにストイックになる必要はないけれど、
全振りの、全託の、あの感じが蘇ったところ。
これは多分、夏至が近づいて来たからかな。
✦ 欲しいものはひとつだけ
今回の夏至が問うているのはね、
新しい関係性、新しい在り方。
「誰と、どこで、何を生み出すのか」
「自分の心の居場所は、どこなのか」
魂のふるえる、原点に立ち還れ、と。
人が動くことに応答して来た人は、
自分が動かないと、始まらないよ。
誤魔化すのはもう終わり。
選べるものがひとつだけだとしたら、
いまのあなたは、何を選ぶだろうか。
たった、ひとつ。ひとつだけ。
母が、命をかけてひとり子を守るように。
夏至を迎える時刻に、それを見据えること。
この問いに答えるためには、
「自分はどう生きるのか」が土台になる。
夏至の会「慈しみの花がひらく」で
じっくりと、向き合っていきましょう。
✦ 陽陽のエネルギー
わたしの誕生日から逆算していくと、
だいたい夏至の前後に受精してるの。
地球にちょこっとこんにちは。
生まれた時刻は、太陽が天頂の午の刻。
受精したのは、陽極まる夏至の時期。
そんな陽陽のエネルギーを振り撒きながら、
久しぶりの、おしゃべりブログは、玄花爛漫。
あー、楽しかった。
またね。
(初出:2026年6月19日)
陽極まる夏至を前に。
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出典・著作|玄花オフィシャルサイト
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